「怒り」と「アンガーマネジメント」part1

実力主義の昨今、仕事のプレッシャーや業務負荷によって多くの人がイライラしがちな環境になっています。現代の会社員の9割以上がビジネスシーンで「怒り」を感じたことがあると言われ、この「怒り」の感情をコントロールすることが、働きやすい職場づくりや円滑なコミュニケーションをする上で大切になってきます。今回はこの「怒り」の感情をコントロールする「アンガーマネジメント」という心理トレーニングについてお話ししたいと思います。
アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントは1970年代にアメリカから始まった、怒りやイライラの感情をコントロールするための心理教育・トレーニングです。アンガーマネジメントを学ぶことによって
- 自分や相手の感情を理解する
- 怒りの感情を客観的に理解する
- 怒りの感情へ対応する
怒りのメカニズム
そもそも、人間はなぜ「怒り」を感じるのでしょうか?
- 待ち合わせに相手が遅刻してきた
- ゲームがクリアできなかった
- 前を運転する車が遅かった
みんなの前で恥をかかされた様々なシチュエーションで、ちょっとしたイライラを感じることは多々あります。 しかし「怒り」という感情は急に湧いてくるものではなく、あくまで「第二次感情」だと言われています。怒りになる前の不安、悲しさ、不満、悔しさ、恥ずかしさ、恐怖、嫉妬、寂しさ…などの感情を「第一次感情」と呼び、心の中に溜まったネガティブな第一次感情が溢れたときに「怒り」となってしまうのです。自分が怒りを感じたときは、その怒りの裏にある本当の気持ち(第一次感情)に目を向けることが大切なのです。
怒りは連鎖する
「怒り」という感情は厄介なもので、立場が上の人から下の人へ、強いものから弱いものへと流れていきます。上司に怒られた部下は家で妻に対してイライラをぶつけ、母親のイライラは子供に向かいます。子供は学校で自分より弱い同級生をいじめ、いじめられた子供は家に帰ってその怒りを親にぶつけます。そしてイライラしている親は会社で部下を…というように怒りの連鎖が生まれてしまうのです。アンガーマネジメントができれば、たとえ怒ってしまっても人にあたることなく、怒りの連鎖を断ち切ることができます。
怒りの種類
怒りにも様々な種類がありますが、特に問題となるのが①持続性のある怒り②強度が高い怒り③頻度が高い怒り④攻撃性がある怒り、の4種類です。まず①の持続性のある怒りは、いつまでも根に持ってしまい、なかなか許せないタイプの怒りです。言いたいことを言えなかったり、ハッキリ断れなかったりすると、怒りを溜め込んで長引かせてしまうことが多いようです。②の強度が高い怒りは、歯止めがきかずに大きな声で怒鳴ってしまうような怒りです。このタイプは怒りをうまく言葉にできず、相手に恐怖感を与えてしまうこともあります。③の頻度が高い怒りは、常に怒っているような状態で、ちょっとしたことでいちいち怒ったり、イライラしてしまいます。④の攻撃性がある怒りは、言葉で表現できずにモノにあたったり、人に対して短絡的な言葉をぶつけたり、暴力的な行動をとってしまったりします。
次回は、その怒りに対処する具体的な方法(マネジメント)についてお知らせいたします。
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