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自閉症の不思議な世界 自閉症の息子を持って

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前回の記事「障害児教育の今と昔 自閉症の息子を持って」はこちら

今年20歳になる自閉症の息子は、1歳まではどちらかと言えば言葉の表出も早く、順調に育っていました。

ところが1歳を過ぎたころから徐々に言葉が消えてゆき、指示が通りづらくなっていきました。

後になればこれが自閉症発症のサインでした。

持っていた言葉を失う・・「折れ線型」と言い、症状が重い自閉症の典型的な発症パターンだったのです。



3歳で自閉症の確定診断が出て(3歳未満では確定診断はしないようです)、名実共にバリバリの自閉症君となった息子は、私にとって非常に育てづらい、でも時々びっくりするような力を見せてくれる不思議な子供になっていました。



一度だけ遊びに行ったことがある20キロ程先の公園に、久しぶりに当時カーナビも無い車で行った時のことですが、私は市街地を抜けてから道が全くわからなくなってしまったのです。

そんな時、助手席に座っていた(当時4歳)の息子が、交差点に来るたびに「こっち」「こっち」と指さしをして方向を教えてくれるのです。

「何かの遊びか、もしくは適当に言っているだけだろう・・どうせ道がわからないのだから好きな場所に行けば良いか」と思っていた私は、見事に裏切られることになります。

何故なら、程なくして行きたかった目的の公園にちゃんと到着したのでした。



そういったことは度々あり、おかしな話ですが、息子が道を教えてくれる時はきっと大丈夫という安心感すら持つようになっていました。

小学校に入って語彙が増えてからは、もっと詳しく「人間カーナビ」と私が言うほど、丁寧にナビゲーションをしてくれるようになりました。

「ここから右車線に寄って3番目の道を通って、右から2番目までは道が登りになって右折になるから、そっちに行かないで真っすぐに」と言ったようなナビをしてくれるのです。

自閉症児の中には、記憶力が良い子がいるという事は本で読んで知っていましたが、でもどうやって自閉症の息子が道を正確に記憶しているのか?どうしてそれほど記憶力が良いのか?言葉もまともに喋れないのにです。私にはとても不思議でした。




自閉症は今でこそドラマや漫画の影響もあってか知名度や理解が進みましたが、私は息子に自閉症の疑いが出るまで、自閉症は性格的なもので、自分の殻に閉じこもっている人のことを指す言葉なのかと、全く的外れな間違った認識をしていました。

ですので、2歳になっても全く言葉を話せない、話さない、理解しない息子は、知的な発達障害なのだろうと、ぼんやりと考えていました。

でも目の前の息子を見ると何か釈然としないのです。

2歳になったばかりの息子のお気に入りの遊びは、パソコン(当時はアップルのパソコン、マックを使っていました)で好きなソフト(CD)を自分で入れてお絵描きやゲームをすることでした。

言葉が通じないので使い方を教えたわけではありません。勝手に見て覚えた様です。

クリックやダブルクリックの使い分け、ドラックも教えていません。

マックに付属している『マウスの使い方』というソフト(海の中の生き物をマウスを使って捕まえるゲーム仕立てのソフト)を1回やって勝手に覚えてしまいました。




異常な記憶力と視覚的な理解力の良さ、それに加え規則性の理解も突出していました。

この子は本当に知的障害なのだろうか・・・と、私は混乱してしまいました。

ですので、自閉症の診断がついた時は、大きな謎が解けた様な感じすらしました。




さて現在の息子ですが、3歳当時より認知機能が格段に上がった今でも、車で出かける時は助手席に乗ってナビをしてくれます。

現在はナビがある車ですが、ナビより息子の方が親切に教えてくれますし、すっかり息子依存になっている私は、1人だと首都高速を間違え、降りられなくなってパニックになることすらあります。1人では少々不安です。

また地図が大好きな息子は地理にもとても詳しいので、旅行のルート作りは彼に任せています。

息子はグーグルマップのストリートビューが大好きですし、幼児の時から本屋に行くと、直行する場所は絵本売り場ではなく地図売り場でした。

それに鉄道オタク(自閉症の定番ともいえますが)でもあります。電車が好きな事は知っていましたが、小学校2年の時、たまたま行った大宮の鉄道博物館で開催された鉄道クイズ大会で優勝し、賞品貰って帰ってきた時は心底びっくりしました。




息子の自閉症不思議ワールドにすっかり慣れた今では、私も驚くことも少なくなり、それが普通であり日常となっています。自閉症は一生治らない障害ですので、こらからも自閉症の息子と向かい合っていかなくてはなりません。ですが3歳で自閉症認定された時のような絶望感はいつの間にか薄れ、いつの間にか無くなっていました。

 


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